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手・肩・ひじ 2022.01.12

【肩の専門外来】日常生活での「肩の痛み」お悩み相談。

福岡市スポーツ協会広報誌 「おっしょい福スポvol.28」 1月号掲載

日常生活での「肩の痛み」 病院コラムお悩み相談。

 

「〜の時に痛いけど、どうしたらいいの?」

ケガや疾患、運動や病院受診の判断など、やって良いこと悪いこと、医師の専門的な知識を元にあなたの悩みを解決します。

 

「腕を挙げると肩がズキッと痛い」「腕が重くて高いところに手が届かない」。こんな症状はありませんか?今回はその原因の一つである腱板断裂について解説します。

 

肩の動きに関わる筋肉。

Rotator cuff/回旋筋腱板

腱板(けんばん)とは、肩の動きに関わる筋肉の中でも『棘上筋』『棘下筋』『肩甲下筋』『小円筋』の4つの筋肉の総称です。別名インナーマッスルとも呼ばれ、肩を自由に動かす上で『肩の安定化』に関わる重要な筋肉です。そして、これら腱板がなんらかの誘因によって断裂した状態を『腱板断裂』と言います。腱板の断裂部が自然に治ることはありませんが、多くの場合はリハビリにより症状が軽減します。また、痛みが強い場合は『鎮痛剤の服用』や『関節内への注射』を併用してリハビリを行っていきます。
一般的には『3ヶ月』を目安に痛みが取れない場合や、腕が上がらない場合は手術を選択されることがあります。

肩関節にまつわる痛み。

【主な肩関節痛の原因】

■肩関節周囲炎

■腱板断裂

■石灰沈着性腱板炎

■変形性肩関節症

■肉離れ/筋断裂

■化膿性肩関節炎

■頸椎椎間板ヘルニア

腱板断裂の原因と病態解説。

 腱板断裂では、四十肩、五十肩の様に硬くなって動かないと言うよりは「肩を動かすと痛い」「腕の上げ下ろしで痛みが走る」「力が入りづらい」といった症状が多くみられます。一般に40歳以上の男性(男性62%、女性38%)に多く、また右肩(右68%、左32%)に好発します。発症年齢のピーク は60歳代です。
 腱板断裂の一番大きな要因は加齢です。腱板は肩峰と上腕骨頭にはさまれているという解剖学的関係があり、加齢と共に生じる腱板の老化と日常生活動作による負荷により、いつの間にか変性断裂を生じる事があります。ある疫学調査では50歳以上の4人に1人には腱板断裂が生じていたという報告もあります。もう一つの要因として外傷があります。転んで肩を打撲した、手をついた、重い物を持った際に肩に痛みが走ったなどが多いですが、テニスや水泳、野球といったスポーツを長年やっていると徐々に腱板が切れる場合があります。一番の問題点は、一旦発生した腱板完全断裂は自然癒合せず、経年的にサイズが拡大する場合があること、断裂した腱板筋群に萎縮および脂肪変性が生じ筋力が低下することがあります。腱板筋群の萎縮 は、左右の肩甲骨を比較してみると、筋肉のハリが低下することでわかります。

 痛みの生じた腱板断裂の大部分(約70%)は、保存療法が有効と言われており、まず薬物療法(消炎鎮痛剤の内服や外用)、運動療法(可動域訓練や残存腱板の機能強化を含めたリハビリテーション)、注射療法(水溶性副腎皮質ホルモン+局所麻酔剤、ヒアルロン酸)などを行い、無症候性化を目指します。腕をよく使う職業の方、スポーツを継続したい方、上記保存療法を行っても改善に乏しい場合には手術療法を検討します。
 近年は医療機器の進歩により、関節鏡と言われる直径4mm程度の内視鏡を用いて手術が可能となり、直視下手術と比較し低侵襲で、創が小さく、手 術後の痛みが少ないため主流となっています。ただし、腱板断裂が大きい 場合は関節鏡だけでは困難な場合もあります。腱板断裂が生じても多の場合は保存的治療で改善しますが、約6ヵ月〜1年に1回は定期診察を行い、筋力や可動域、エコーやMRIを用いて断裂径拡大や筋萎縮の進行の有無を確認することが望ましいです。

 

 

肩の専門医

南川智彦 医師

【専門】
肩関節、股関節、関節リウマチ

【資格・所属学会】
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医
日本整形外科学会
日本股関節学会
日本肩関節学会
日本リウマチ学会
日本人工関節学会
日本骨折治療学会
西日本整形災害外科学会
日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)

肩の専門医

肩の手術を専門に行なっています。

■鏡視下腱板修復術 (Arthroscopic Rotator Cuff Repair)
 →肩周辺の筋群(腱板)に起こった損傷を修復します。
■鏡視下肩関節唇形成術 (Bankart修復術、SLAP修復術)
 →肩関節の脱臼によって生じる、靱帯や関節唇の損傷を修復します。
■鏡視下授動術
 →動きが固まった肩の関節包を解離し可動域を改善させます。

※「肩の痛みが取れない」「腕が上がらない」などの症状でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

ご相談窓口

「患者さんの症状に応じた、適切でより質の高い医療を提供できるように解決の方法を一緒に見つけて参ります。」


 病気になると、健康な時には考えなかったような心配なことや不安なことが色々と出てくることがあります。はじめて経験することも多く、患者さん・ご家族が抱える不安も大きくなります。当院では、医師・看護師・コメディカルが連携を取り合い患者さんの病状を把握しながら、患者さん・ご家族の不安や悩みの解決の糸口が見つかるよう、一人ひとりに最善のサポートを行っていきます。

 

ご不明な点やご質問などございましたら、まずはお電話にてお気軽にご相談ください。

 

【肩の専門医】 南川 智彦医師 診察日

 

 

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