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2021.02.17
【南川コラム】変形性膝関節症の方へ/当院のリハビリを紹介します!
高齢社会の日本では、膝に不安を持つ人は1千万人にものぼるといわれています。
趣味や生活を制限されることなく、人生を楽しむために、知っておきたい変形性膝関節症のリハビリテーションについて解説します。
変形性膝関節症とは?
加齢に伴い膝関節の軟骨が少しずつすり減り、関節痛、可動域制限や脚の変形を引き起こす病気です。
変形性膝関節症の治療法は?
治療方針は主に2つあります。
保存療法
リハビリテーションによる運動機能の回復、膝痛の軽減変形性膝関節症の進行が深刻でない方の場合、いきなり手術ではなく、まずは保存的な治療から始めることが一般的です。
薬物療法、物理療法、運動療法、装具療法、生活指導、ヒアルロン酸注射
など様々組み合わせて行います。
手術療法
保存療法で膝痛や動きの改善が難しい場合手術は膝の状態や年齢、生活背景に応じて人工膝関節全置換術や高位脛骨骨切術を提案させていただいています。
リハビリの主な目的・運動を行う意味とは?
変形性膝関節症が進行すると、痛みで脚を動かさなくなるので、膝の周りの筋力が落ちて、関節の安定性が悪くなります。
そうすると、ますます膝に負担がかかり、痛みが強くなるという悪循環に陥りがちです。
この悪循環を断ち切るためには、膝の周りの筋肉を強くして、膝の負担を軽減する必要があります。
今回はその運動方法や生活する上で気を付けるポイントなどをご紹介します。
筋力トレーニング
変形性膝関節症の進行を防ぐには、筋肉を強くする必要があります。
特に膝周囲の筋力トレーニングは必要不可欠になります。
歩くこと以外にも、階段や椅子からの立ち上がりなど、日常生活の大半は膝の筋力が重要となります。
関節可動域改善
変形性膝関節症の症状が進行すると、膝の曲げ伸ばしが難しくなり、力が入りにくくなります。
そうなってしまいますと歩行や日常生活に支障が出てしまいます。
その予防ため、関節の可動域を保つことが必要となります。
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ヒールスライド①
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ヒールスライド②
生活指導
個々の生活スタイルに合わせた動作の練習は、とても大切なリハビリの項目の一つです。
一人ひとりの普段の生活をお伺いして、安全で膝への負担が少ない動作を提供します。
また、家屋構造なども確認して、家での生活が困らないよう支援します。
自宅でできる3つの運動
①足上げ運動
・仰向けで行う運動です。・片脚を立てて、反対の脚を床からこぶし1つ分か2つ分浮かせて5~10秒間キープします。
・これを10~20回繰り返します。
②股関節外開き運動
・筋肉運動をしない方の脚を下側にして横向きになり、膝を曲げた状態でバランスをとります。・筋肉運動をする方の上側の脚のかかとを 10cmほど浮かせて5~10秒間キープします。
・これを20回繰り返します。
③股関節足閉じ運動
・あお向けになって両方の膝を軽く曲げます。・太ももの間にボールを挟んで、5~10秒間ボールをつぶすように力を入れます。
・これを20回繰り返します。
Q&A(よくある患者様からの質問)
変形性膝関節症に対してサポーターは効果的ですか?
一概に全ての人にお勧めできるものではありません。
中には、膝痛を多少軽減する効果が期待できるものもあります。
体重が増えると膝への負担が増えますか?
はい、増えます。
特に階段昇降時に負担が生じます。
増えた体重の7倍の負担が膝にかかると言われています。
コラム監修
【記事監修】市村竜治 医師
【専門】膝関節外科・人工関節・外傷
【資格】
日本整形外科学会 専門医
日本人工関節学会 認定医
日本DMAT医師