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手・肩・ひじ 2021.01.29

【南川コラム】腱板損傷の方へ/当院のリハビリを紹介します!

「腕を挙げると肩が痛い」「肩の痛みで夜眠れない」「高い所の物を取りたいのに腕が重くて挙がらない」など

これらの症状はもしかしたら肩の筋や腱が切れてるのかも?

当院では腱板断裂と診断された場合、まずはリハビリにて症状の改善を図ります。

 

腱板断裂ってなに?

肩のインナーマッスルと言われている棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋のいずれかの筋や腱(腱板)が断裂した状態を言います。

 

  • 肩の構造(前面からみた図)

  • 肩の構造(後面からみた図)

筋や腱が断裂してもリハビリで治るの?

一度断裂してしまった筋や腱は自然につながることはほぼありません。

しかし、残存している筋や腱を含めた関節周囲の筋機能を向上させることで症状を改善させることが可能です。

 

当院ではまず約2〜3ヶ月の間はリハビリにて症状の改善を図ります。

それでも生活や仕事、スポーツに支障をきたす場合には手術を選択されることもあります。

 

リハビリではどんなことをするの?

肩関節周囲の筋や肩関節をうまく動かすようにすることで肩関節は安定して痛みが軽減し、腕が動かしやすくなります。

痛みの強い時期は、肩を無理に動かすと炎症が長引き、症状が悪化することがあるため、アイシングやリラクゼーションを中心に行い、痛みの軽減に努めます。

痛みが強い場合は医師より内服の鎮痛剤を処方され、併用してリハビリをすることもあります。

 

リハビリの主な目的とは?

・損傷していない筋や腱の機能向上を図り、関節の安定性を高める

 

・縫合する手術を行った場合は縫合した筋や腱の状態や手術の時期に応じた機能の改善

 

・肩に負担をかけないための日常生活動作訓練

 

・自宅で出来る運動やストレッチの説明や訓練

 

自宅でできるリハビリ

トレーニング編

腱板トレーニング
(インナーマッスルトレーニング)

肩関節を安定させたり、痛みを軽減させるために必要な肩のインナーマッスルと呼ばれる筋を鍛えます。

肩甲骨トレーニング

肩甲骨の動きを良くする=肩甲骨周りに付く筋肉を柔らかくしたり、うまく動くようにすることで、痛みの軽減や肩関節の動く範囲を拡大させます。

日常生活編

普段の生活を送る上で、肩に負担がかかり痛みの悪化を防ぐために日常生活上の動きや寝る姿勢のアドバイスや練習を行います。

 

【更衣動作】服の脱ぎ方・着方

※右肩が痛い場合※

洋服を脱ぐ時は、痛くない方の腕から抜き、頭→患側の順番で袖から腕を抜きます。

洋服を着る時は、患側を先に通し、頭→左腕の順番で袖で通します。

【就寝時の工夫】仰向けポジショニング

・手の置く位置を調整する

・肩と床面の隙間を埋める程度にタオルを入れる

・肘は肩より少し高くする

・ひざ下にクッションを入れる

【就寝時の工夫】横向きポジショニング

・痛い方の肩を上にする

・枕の高さをあげる

・クッションを胸の前とひざの間に挟む

・脇を閉じて痛い人は脇にタオルを入れる

Q&A (よくある質問)

痛みなく腕を動かすにはどのくらい期間がかかりますか?

個人差はありますが、痛みが軽減し、日常生活を問題なくおくるためには約2〜3ヶ月かかります。

 

いつからスポーツは出来ますか?

スポーツ開始時期は、痛みの程度や損傷度合い、またスポーツの種類やレベルによって異なります。

その際は、医師の判断のもとスポーツの種類に応じて肩に負担のかからない、スポーツ動作から始めます。

コラム監修

【記事監修】緑川孝二 医師

副理事長・南川スポーツ医科学研究所 所長 
福岡ソフトバンクホークス顧問医師(チームドクター)

【専門】
肩・スポーツ整形外科

【資格】
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本医師会認定健康スポーツ医

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